移 住 写 真 家
秦 雅則
秦 雅則
<プロフィール>
1984年 福岡県生まれ。
2008年 「写真新世紀」グランプリ受賞
2009年 企画ギャラリー 明るい部屋 設立
2012年 出版レーベルA組織 設立
作品:「鏡と心中」、「二十二世紀写真史」
<抱負と近況>
これまでの作家活動では、写真とは何か? 現代美
術においての写真、というような机上の理論で作品
を作ることもあり、写真だけではなく、映像や、対談、
言葉をメインとした作品もありました。しかし、震災
以降、とくに表面化した政治的混乱や、大衆のお流れ
主義に参加しているうちに、写真そのものを今一度
経験しながら生きていきたいと思うようになり、現在
に至ります。
まだ、鶴居村に何があるか想像もつきませんが、
九州出身の私からすれば、驚くことの連続だと思い
ます。その中で興味を育み、ひとつひとつ写真を
残し、最終的に作品へと創りあげられたらと思って
います。
現時点では、その土地に住み続けている人々の言葉
を聞きながら、土地の歴史としての相違を観察し自
分の中で写真へと落とし込めるところを探していけたら
楽しいだろうなと考えています。
中根静男
<プロフィール>
1956年 茨城県生まれ
1983年 カメラマンとして独立後、雑誌、広告などの撮影
開始
1997年 コダック フォト サロンにて個展「Tokyo Talk」
2009年 PGIにて個展「Sub Thought」
2016年 San Francisco Museum of Modern Art」に作品
3点コレクションされる
<抱負と近況>
北海道には、仕事で何度も訪れましたが、周りに大きい
山がほどんどない関東で生まれ育った私はその雄大な
山々の風景に見とれ、圧倒されるばかりでした。
鶴居村の名前も、鶴居村が「日本で一番美しい村」の
一村に入っているのも今回のプロジェクトで初めて知り
ましたが、真っ先に思い浮かべたのは高校時代に旅に
した北海道の雄大な手つかずの自然でした。
鶴居村については多くの情報がインターネット上に溢れ
ていますが、その多くはタンチョウ鶴と釧路湿原に関した
ものでした。もちろんどちらも内外に大きくアピールできる
魅力の一つではありますが、私はもっとありふれた自然と
そこに暮らす人々にフォーカスして撮影したいと思ってい
ます。
私が興味をもつのは、同時代に暮らす人々の生活です。
村で生まれ育った方々の土地や隣人に対する想い、特に
私と同世代かそれ以上の高齢者がどのようにして生きて
きたのか、なにを考えて暮らしてきたのか。またこれから生
きてゆこうとしている小さな子供たちになにを伝え、どう受
け継いでゆこうとしているのか。そんな「日本で最も美しい
村」の日常の暮らしを写真でレポートできたらと考えていま
す。
勝見里奈
<プロフィール>
1995年 東京生まれ。
2014年 JPS2014 20歳以下部門 優秀賞受賞
2016年 アジア創造美術展 奨励賞受賞
<抱負と近況>
写真の原点であるモノクロームで光と影を追うことで、
鶴居村の新たな表情を発見できたらと思います。
被写体は主に湿原や現地の人々を一年を
通じて撮影したいです。
今まで様々な土地を訪れスナップを撮る手法をとっ
てきましたが、ずっと住んでいた土地を離れ、旅では
なく腰をすえてみることで、外の者としての視点をもっ
たまま観光と異なる生活圏に入っていく面白い風景
が見えるのではないかと思います。
また、個人的な視点だけではなく、鶴居村の歴史
や伝統について学び、考えながら作品を構成してい
けたらと考えています。
選 考 委 員
秦
三浦 展(社会デザイン研究家)
<プロフィール>
1958年新潟県出身。マーケティング・アナリスト。一
橋大学卒業後、パルコに入社。同社のマーケティング
雑誌アクロスの編集長となる。90年、三菱総合研究所入社。
99年、都市、消費、社会、文化を研究するシンクタンク、
カルチャースタディーズ研究所を設立。
研究、執筆を行う。
主な著書に『下流社会』『第四の消費』『ファスト風土化する日本』
など。
岡田 敦(写真家)
<プロフィール>
1979年北海道出身、東京在住。写真家、芸術学博士。
2011年より根室半島沖に浮かぶ無人島・ユルリ島に生
息する野生馬の撮影を続けている。
■主な受賞
2002年 富士フォトサロン新人賞受賞
2008年 第33回木村伊兵衛写真賞受賞
2014年 北海道文化奨励賞受賞
2017年 東川賞 特別作家賞受賞
■主な著書
『Platibe』(2003年、窓社)
『Cord』(2003年、窓社)
『I am』(2007年、赤々舎)
『世界』(2012年、赤々舎)
『MOTHER』(2014年、柏櫓舎)
『1999』((2015年、ナガトモ)
和田正宏(写真家)
<プロフィール>
1956年、北海道鶴居村に生まれる。
1968年からタンチョウの撮影を始め、1985年
に初の個展「タンチョウの四季」を開催する。
以後精力的に国内外でタンチョウの作品展を開催。
2000年、自然愛好家のための「HOTEL TAITO」を北
海道鶴居村にオープン。(公社)日本写真家協会会
員。
■主な受賞
1989年 第一回読売新聞紙面貢献賞受賞
■主な著書
『北の大地 タンチョウ』